丘陵地の地形がそのまま芝生で覆われている。芝生はいつもきれいに刈られていて、休日は草ソリで遊ぶ親子や駆け回る子どもたちで賑わう。管理組合を作って日々の管理に取り組む住民だけでなく、蛍の棲む東谷川を挟んで対岸にある上庄の集落全体が、子や孫が遊んでいるかのようにこの様子を見守っている。地域と一体になったこの公園の目立ちすぎない伸びやかな眺めを、住民と行政の連携による上質な管理は高く評価できる。ここは中世山城の跡で、空堀跡の細い谷や曲輪跡の数段の平地がそのまま芝生地となっている。往時のこととて、発掘調査をしないまま竹林を芝生に代えて公園にしたらしいが、土地造成や植樹を避けたことが幸いして遺構が守られている。史跡の公園利用の好例でもある。
|