いつも見慣れた風景が、ちょっとしたことでも違って見えることがある。 この古い城下町の趣きを今に伝えるための取組みは、町並み再発見の試みとして評価したい。「蔚山町」「職人町」「塩屋町」「高麗門町」「電信町」と旧町名が配された看板は熊本城下の歴史を知り、町歩きの楽しさへと誘う。正確な時代考証と地図のわかりやすさが今後の課題として残るが、小豆色のシックな色合いも目を引き、愛すべきデザインに仕上がっている。