国道266号を南下し城南町旧道への分かれ道を過ぎ、切り通しの坂を上りきった左手になだらかな緑のバンクが現れる。ドライブの途中、街中を抜けた後のゆったりとした景観の広がりが心地よい。背後にある自動車部分工場上部のシンプルな白い壁が緑色のバングと見事な対象をなし、工場1階のこまごまとした窓割りはバングに隠され、車窓から窺えない。高さ3m程の芝生の盛土は600mに及び、アイストップに当たる末端の小さな杉林もいい調和を作っている。当然のことながら、芝の管理にも配慮が行き届いている。
今回の審査では、このような小手先にとらわれない単純な提を築いただけの造成が、単調になりがちな大規模建物の壁面と調和し、周辺の環境とは異なる際立った景観を造りだしていることを評価している。
|