緑川中流の鵜の瀬堰から取水し、甲佐町の中心街を流れる大井手川。慶長13年(1608)に加藤清正公によって開設された延長約7`の農業用水路。堰近くには寛永10年(1633)に細川忠利公の命で設けられたやな場が現在も営まれている。
かつて洗い物や水遊びができた清流も、生活排水の流入などで汚濁が進み、水路沿いの柳並木も昭和30年代には姿を消していた。昭和60年代になって、清流回復の住民活動が始まり、平成10年から県や町が河川改修事業に乗り出し、やな場から水路に沿って「あゆやな公園」を整備、「甲南パーク」と呼ぶ中流域から下流にかけては、柳並木を復活させ、自然石積護岸や植栽スペースを整備、親水テラスも新設された。こうした整備事業は地域団体や住民代表らで構成する甲佐町地域用水対策協議会での競技をもとに進められ、住民参加の維持管理が続いている。
特に、コイが泳ぐ柳並木の川のある商店街という甲南パーク一体の独特の景観は、水郷・甲佐の趣きも漂わせている。
|