夏でも冷たく感じる寒川水源には、大関山麓の豊かな自然の森に包まれた岩場からあふれ出る湧水があり、神秘さ漂うその空間に佇むだけで安らぎを覚える。寒川の人々は、この清流を約10haの斜面に広がる700枚の棚田に導き、田植えの前後には田毎の月を映し、やがては深緑に染まり、次には香り高い黄金の実りへと移りゆく田園景観を持続させている。また、遠い昔より汗しながら営々と築かれてきた石垣の景観に加え、周辺に植栽された約13,000本のハナショウブと数千本に及ぶアジサイは、さらなる季節の彩りを添えている。