「鮎の瀬大橋」は、阿蘇に源を発する緑川の流れが、長い時間をかけて大地を浸触し続けて造り出した深さ140mに及ぶ渓谷空間に架かっている。
本橋は、畑地や林地など緑のヴェールを縫って走る緑川農免農道「あぐりろーど鮎の瀬」の一部であり、V字橋脚を持つラーメン橋と斜張橋との融合からなっている。斜張りの赤いストライプからなるデルタ(三角形)は、まるで自然の風が奏でる巨大なハープを思わせる。農村のアクセス改善や活性化に貢献する橋であるが、緑川渓谷は春から夏にかけてはみずみずしい新緑を、そして秋には黄色や紅色と紅葉の綾なす景観を形成し、四季の彩りの眺望点としても大きな役割を果たしている。
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