熊本県指定史跡の宮崎兄弟の生家は、辛亥革命により臨時大統領になった孫文が、宮崎兄弟の親交・支援に対する謝意をこめて訪れた場所である。清朝の滅亡、中華民国の成立という時代の日中交流の舞台の一つであり、施設の整備にあったっては当時の雰囲気を極力留めるような工夫が凝らされている。
復元された生家の当初の建設は江戸時代末期とされ、梁間2間半の六つ間取り、鍵形の茅葺き、下屋瓦葺きの平屋である。今回は新たに修復された資料館と一連の付設建物、それに今なお昔年の面影を偲ばせる庭園の記念樹などを含めて、由緒ある生家の環境整備を行い、史的景観形成に貢献している。
|