風景の中に建築があるのではなく、建築の中に風景がある。 消防署に要求される第一の機能条件である緊急車両の発進を容易にするためのピロティ空間の一部を公園として市民に開放するという発想に拍手をおくりたい。 柱だけのピロティ空間は、背後の小学校の校庭と消防訓練の為の中庭、そして新しい幹線道路である臨港線を一体化する。 消防車の赤、芝生の緑、緩やかに切り取られたシルバーの円弧、鮮やかに彩られた吹き抜けが、透明でスピード感のある景色の中に淡くにじみでてくる印象をうける。