遠望すると石匠館は、山腹に段々畑の石積みのように同化し、建物の壁面と導入路の石積みも連続して構成されている。敷地に植栽された樹々も成長すると、この建物は山肌に溶け込む。外部より連なる石積みは、内部に至り石窟的空間イメージを来訪者に与える。 この作品は、「景観との調和」から一歩踏み込んで「環境との同化」を目論み、そして成功させたことを評価したい。 その上で、背景の山肌が粗野で修景すべきこと、意義ある日中石工職人の友好ゲートはこの建築本体に近すぎて、双方の個性を損ねていることを付け加えたい。