三角西港は我が国でも最も重要な歴史的港湾の一つである。そこには切り石積みの岸壁や水路、石橋、旧郡役所等の重要な歴史的建造物群があって、長年にわたって優れた歴史的景観を維持してきた。近年、荒廃した倉庫の復元、龍驤館の修理、街路(ムルドル通り)の舗装等を行って歴史的資産の保全と積極的な活用を図り、この地域の優れた景観形式に貢献している点が評価される。今後もこの方針に沿って、重要な歴史的建造物群の保存と活用になお一層の努力が期待される。
今後の問題としては、時流にのって単なる観光地整備に終わる事がないように、歴史的遺産の保存と良好な住環境建設を両立させるために、衆知を集めて息の長い基本計画を確立させることが望まれる。
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