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  老樹名木詳細
 
乙宮神社の榧(おとみやじんじゃのかや)


■阿蘇の若き女神のそばにやさしくたたずむ老樹
 乙宮神社は阿蘇神社の摂社で、健磐龍命(たていわたつのみこと)と阿蘇都媛(あそつひめ)の孫にあたる女神・若比咩神(わかつひめ)が祀られています。乙宮神社の「乙」は「末子」とか「若い」とかいう意味ですから、阿蘇神社よりも後の、若い神様を祀ったお宮という意味になります。
 乙宮神社の社殿は総欅造り(そうけやきづくり)で華麗な彫刻と枡組みが施され、静かに鎮座する女神にふさわしい、優しく厳かな雰囲気が漂っています。最初はもっと山の上に建てられたそうですが、寛政5年(1793)4月に現在地に移されました。社殿には神社の沿革を語る資料が納められ、祭神にまつわる伝説や地名の由来などの伝承もたくさんあります。この地域の産山(うぶやま)という名称も、若比咩神がここでお産まれになったことに由来するといわれています。
 境内は老杉や巨木がうっそうと繁り、こんもりとした森になっています。お宮の人口から階段を登る途中で左に入り、森の中をしばらく進んだ先にこの樹があります。周囲の木々が繁茂しているので最初は見つけにくいかもしれませんが、真っ直ぐに伸びる美しい気品のある樹を探していると、高くそびえている姿が他と大きく異なっているので区別できます。
 この樹より15メートルほど下に、なだらかな窪地を流れる美しい小川があります。これは熊本の名水百選の一つで毎分30トンの湧水量を誇る山吹水源から流れてきた産山川の上流です。そのせせらぎの音と時折聞こえてくる小鳥のさえずりを森の中で聞いていると、時のたつのを忘れるほどです。
 カヤは樹形が美しいだけでなく、材質が緻密で堅く、水湿に耐えるので浴室や桶の材料などに使われ、以前は橋の用材や建物の土台や小舟の材料に重用されました。また、碁盤や将棋盤や将棋の駒など身近な生活の中によく使われています。


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