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  老樹名木詳細
 
妙見の樟(みょうけんのくす)


■人々から水の神様と慕われるクスノキ
 地域の人たちから、「妙見さん」とも「上霍(かみつる)神社」とも呼ばれ、古くから水の神様として祀られてきました。樹には注連縄が巻かれ、神木として尊ばれて毎年9月18日に神事が行われます。干ばつがひどい年にはお神酒を供えてお祈りすると必ず恵みの雨が降るとか、白蛇が住みついて樹の主になっているとか、おかげで辺田(へた)の集落には大火がないなどの言い伝えがあります。
 幹は高さ5メートルのところで東西に大きく分かれ、枝は四方に広がって、広い範囲を覆っています。菊池平野に大きく張り出した台(うてな)台地の一角をこのクスノキが占めています。
 この樹は昭和15年8月に、国の天然記念物の指定を受けたのですが、条例の改正によって指定が解除になりました。現在は菊池市の天然記念物として保護されています。道端にあるので道行く人が花を供えるなど地域の人たちに大事にされています。平成3年9月の台風で大小の枝を吹き折られ大きな被害を受けましたが、今は旺盛な生育を見せる立派なクスノキで、迫力があります。
 ここには、菊池氏の十八外城(じゅうはちとじょう)の一つである台(うてな)城があり、この城は水島城とも呼ばれています。菊池氏は、隈府(わいふ)に本城を置き、その四方の要地に支城を構えて守備を固めていました。十八ある支城の中で水島城は、西の防衛線の要にあり、たびたび激しい戦いが繰り広げられました。中でも、父武政の死後わずか12歳で肥後の守護となった菊池氏17代目の武朝(たけとも)が初陣を飾った水島の戦いは有名です。
 水島の古戦場は、現在は近代的な圃場(ほじょう)整備によって区画され、夏には稲田の緑が海の上を波が伝わっていくように風になびき、秋には、黄金色に実った稲穂が重く垂れます。ここは古い時代からの肥後の国一番の穀倉地帯で、現在も菊池米や七城米の名で知られています。


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